小さな恋を成就させるために、彼女を振り向かせるために、ただ有名になることを夢みた少年時代。
音楽と触れ合うきっかけを与えてくれた父、どんなときでも息子を信じて応援してくれた母。
音楽専門学校で切磋琢磨し、テレビのオーディション番組で味わった挫折と絶望。
人生のどん底ともいうべきときに、HIRO を初めとする仲間と出会って、EXILE のヴォーカリスト
ATSUSHI になった。順風満帆に見えるその後のアーティスト人生だが、かけがえのない相棒を失い、
そして声までも失ったことがある。
小さなことに悩み、苦しみながら、とぼとぼと道を歩いてきた。いつか幸せに巡り合えることを祈りながら、バカみたいな失敗や挫折を繰り返しながら、手探りで人生を生きてきた。
目まぐるしく行き過ぎる時間の中で疲れ果てたとき、ふと浮かんだ疑問――。
「僕はどうして歌っているんだろう。どんな運命があって、ここにいるんだろう?」
その答えを見つけたとき、何かが変わった。
歌は、誰かのために、何かをするということの意味を教えてくれた。
人は人を幸せにしたときに、初めて自分も幸せになれるということも――。
過去を振り返り、美しい未来を希求し、今生きている奇跡と対峙しながら、秘めてきた想いのすべてを綴った初めてのエッセイ、堂々刊行!